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  • 2011.03.25 Friday
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白くて甘くて風に揺られて ‐風蘭(フウラン)‐

 独特な甘い香りを放つ、真っ白な「フウラン」。
ミズゴケを巻いた金網に植えられ、軒先に吊るされ、風に舞う。
野生下でも木の上にあり、風に吹かれる姿から「フウラン」と呼ばれているそうだ。








 はかなり小さいが、近くでよく見ると、
ランらしい「複雑な形」をしている。
正面から見ると、翼を広げて飛んでいるようにもみえる。



 この花は、小さい姿のわりに強烈な「甘い香り」を放つ。
花の付け根に「距(きょ)」と呼ばれる管状の器官があり、そこに蜜がたまっている。
それが独特の甘い香りを作り出す。

 このランも古典的に栽培されてきた種類。
観賞スタイルは江戸時代には確立されていたという。
見た目を観賞するだけでなく、香りを楽しむことも重要な「鑑賞」ポイントとされる。

 甘ったるいが後味はあっさりしていて、
甘さの中に果物のような酸味もある、独特な芳香を持つ。
文字で表現するのは難しいので、興味のある人は、ぜひ本物と接してもらいたい。

そんな「いい香り」を持っている花だ。







 これが「距」
花粉とその運搬をめぐる「競争の産物」である。


 多くの花は、ハチなどの昆虫を蜜で誘う。
花に昆虫が来たら体に花粉が付くので、花粉を別の花まで運んでもらえる。

そんな営みの中・・・

昆虫の中に、口だけ長く伸ばし、花にとまらず蜜を吸うものが登場する。
彼らは餌をとる時間を短縮することに成功し、生存競争に有利であるため繁栄する。
が、花にとまらないため花粉を運ばない、植物にとって厄介者の繁栄である。

そんな状況でも・・・

たまたま「距」が長い花は、口が長い虫に「花粉を付けることができる」ため、
口が長い虫を花粉運びに利用して生き残る。

こういった「虫」と「花」のせめぎあいは、
お互いに自分たちの繁栄に有利な「形」を生き残らせる。
この花の場合、実生活に支障をきたさない程度に、距が大きくなったのである。


 こういった現象は「共進化(きょうしんか)」と呼ばれるもので、
ランの仲間にも多くみられるし、それ以外の生物にも普遍的にみられる。
ただ、どれも特異的だし、おもしろい形になってしまった生物も多い。

ランの仲間だと、フウランに近い仲間でマダガスカルに生息する
「アングレカム・セスキペダレ」
が、ダーウィンのエピソードとともに有名。

ほかにも、R・ドーキンス著「進化の存在証明」にて、面白いランが取り上げられている。
変な形の「バケツラン」、香水を作る「ハチ」に材料を提供するランなど・・・
世の中にはそんな生物があったのかと感動した。

姿、動き、戦術、駆け引き、どれもすごい。
ランに限った話ではないが、ランは姿の「奇妙さ」「巧妙さ」がずば抜けている。
ただ綺麗なだけではない、合理的なメカ、自然が生んだアイデアなのだ。

※とりあえず、生態ネタはなかなか止まれないので、今日はここまで!※

※「進化の存在証明」は、生物進化に関することを扱っている良書で、興味深い生態の事例が多い。
内容も好奇心をそそられるし、レポートのネタ元としても大いに役立った本。結構おすすめ。
ドーキンスの「イギリス的な」遠回しの文とアイロニーに抵抗がないなら・・・※





 てる場合、ミズゴケを足場に用い、板状のものに着生させる。
根が張らないうちは針金などで固定するが、活着したら取ってしまって構わない。

うちの場合は、東急ハンズの理科教材売場で見つけた金網、
実験用のバーナーと使う「丸い金網」を使っている。
とりあえず、蒸れない腐らないものなら、流木でもヘゴ板でも何でも使える。

ミズゴケが厚くなりすぎると蒸れてしまう。
コケ玉のような丸い形より、うすく平たい形にするのがポイント。

いろいろなものに「くっつけて楽しむ」のも、フウランの魅力だと思う。
レイアウトが楽しい。


 管理は簡単で、うちの場合はたまに水を掛けるだけ。
ミズゴケが乾いても、真夏でさえ、一週間くらいは放置しておいても問題ないようだ。
バックパッカーの長期旅行でもなければ、外出しても安心のはず。

ただ、日向におくと日焼けするので、日陰で育てるのがポイント。
野生では木の葉に覆われて生活しているので、強光はあまり好まない。



後記:フウランの魅力をいろいろと考えてみました。
個人的には、植物って「鑑賞物」であり「好奇心」の対象なんだと思う。
種類が珍しいとか、市場で希少性があるとか、そんなもんはどうでもよくって、
背景の自然とかドラマをみるのも好き。
そういうことを再認識しつつ、そういう視点で書いてみました。






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